オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「……賢? なにを」
「痩せて髪が伸びてますます、女みたいになったな、お前」
見上げる志賀の頬に張り付く、明るい色の髪を指先で梳く。
不機嫌を一瞬見せた顔に、冷笑を返した。
「志賀祐司という男を、消してやる。……女になれ、お前。いや、女にしてやる」
「なに、言ってんだよ」
「夏紀には、渡さない」
水分を含んだスエットを、下着ごと俺は乱暴に引き下げだ。
短く息を飲んだ志賀の眼が、大きく見開かれる。
死んだような顔に浮かんだ表情に、俺の中で鼓動が大きく一つ、鳴った。
「よかったな、馬鹿でも見れる顔で。お陰で、萎えずに楽しめそうだ」
「け、ん」
動く事を諦めていた志賀の腕が、反射的に持ち上がりかけた。
力を込め俺はそれを抑えつけ、志賀の耳元に唇を寄せた。
「死ぬなんて、思わなくなるまで犯してやる。――安心しろ」
夏紀が、死んだとして道連れをするような奴ではないことは、冷静に考えればわかることだった。
だが、そんな余裕はどこにもなかった。
恐怖。ただ、それだけが俺を支配していた。
夏紀を失って心に開いた穴が、また広がるような恐怖。
恐ろしく暗く深い穴が、その時の俺には迫ってきているようで。
それを払拭するために、暗闇に引きずり込まれそうな志賀を、がむしゃらにでも繋ぎ止めたかった。
死体のように冷たい志賀の身体を、乱暴に俯せにし、剥き出しの尻を鷲掴む。
手近にあったリンスのポンプを押し、掌に乗せた液体を、尻を割り開いた先にあるそこへ、塗りつけた。
「賢っ! 嫌だ! やめろッ! 触んな! クソッ!」
「最低限の準備はしてやるんだ、親切だろ?……まぁ俺も、男は初めてだがな」
ぬめりを利用し指先を、穴の中に潜り込ませる。
息を止めた志賀に舌打ちをし、俺は強引に指先を突き立てた。
「い……っ、ぐぅ!」
「親切を無駄にする気か? それとも、痛みがある方が、生きている実感があるか?」
頭の片隅で、男相手に欲情するわけがないと思っていた俺を嘲笑うように、しっかり芯を持ち始めた自身に苦笑した。
他に方法等、いくらでもあったはずだ。
第一、この男と俺はそこまで親しくも無い。
夏紀が死んだ今、繋がりすら消えてもおかしくはない関係なのだ。
それを、ずっと夏紀の告別式から考えていた。
この男と、切れる事。……それを、嫌だと思う俺の事を。
綺麗だった、怯えを見せる瞳も絶望に染まった顔も。
普段、がさつで馬鹿な事しか口にしない顔が、今まで見た誰よりも俺の中の何かを、刺激する。
汚したい、傷つけたい、――独占したい。
そんな、顔をしていた。
逃げる腰を掴み、指を勢いよく引き抜き、俺はわざと音を立てジーンズのジッパーを下ろす。
合わせ目から引きずり出した、熱を持った自身の先端を、志賀の蕾に押し当てた。
「けん……っ!」
引き攣った悲鳴が、聞こえた気がした。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。