オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
迷惑か、と悩み考えながら、キーボードに向かう。
世間が寝静まった頃、一人だけの空間で、彼だけに向けてメールを打つのが、今の俺の日課だった。
毎日、彼の言葉に背中を押されて、マンションの外に出て。
今日はコンビニに、何年ぶりかに行った。
22時を回った店内は、店員一人で客がおらず、俺はホッと肩の力を抜いた。
〔俺オススメの商品あるから、それ買ってこいよ?ちゃんと証拠送るように〕
スナック菓子コーナーを捜しながら歩く俺を、店員が見ている気がする。
棚の前に立った俺は、指定された商品を捜し首を巡らせた。
……ない。
記憶していた商品名が見当たらず、急に動悸が激しくなってきた。
迷子の子供みたいに、無性に不安になってくる。
息が上がりそうな俺の肩が、その時掴まれた。
「ちょっと、大丈夫?」
茶髪の、跳ねた髪の店員が迷惑そうな顔で俺を見ている。
それだけで、俺は涙が出そうだった。
足が震える。怖い。
「こっち来て」
「あっ、あの、ちがっ!ごめ…ごめんなさい!」
「違うって。お客さん、持病ある?ちょっとこっちで、落ち着いて」
手を引かれて、カウンターの隣にある扉の奥に連れ込まれた。
パソコンや、散乱した伝票が置かれたデスクの前に、座らされる。
「はい、お茶。金は心配いらねーから」
「……あり、がと」
カラカラに喉が渇いていた俺は、素直に差し出された小さなペットボトルを受け取った。
俺の前にしゃがみ込んだ店員は、不敵な顔で俺を見ていた。
「俺、こー見えても看護学校通ってんの」
客のいない店内を振り返りつつ、店員は俺の様子を伺って来た。
「大丈夫?」
「……はい、すみません」
「何謝ってんだよ、買うのあるなら取って来るけど?」
言葉に甘えて、俺は捜して見つからなかった商品の名を上げた。
「あー……アレか、ごめん。入れ替えで無くなったんだよな」
申し訳なさそうに答えた店員に、俺は小さく噴き出した。
余程必死に、アレを欲しがっているように思われたらしい。
「ありがとう、無ければいい。……あ、お茶代……」
「ああ、愛は人命救うから」
店員は、カウンターに備えつくの募金箱を指差した。
二人きりで、それに笑った。
〔何ィ?俺差し置いて、二人きりとかいう輩が!?お前は俺のじゃないのか!〕
報告メールには、顛末とお茶の写真を添付して。
彼に少しだけ、怒られた。
………………………………………
一人外出編。二人きりというお題に対して、捻くれた回答だなと思ったり思わなかったりですが。
ちなみにシマネコは決して、受け受けしい、儚い美人系ではありません。
小汚い、引きこもりです。土台は悪くないけど、伸ばしっぱなしの長髪で、残念です。
ただ、人に優しくされていないので、ちょっと優しくされるとすべていい人に見えるフィルターが装備されています(笑)
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。