オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「……ツルツルだ」
片手に持った、T字剃刀虚しく、今朝も僕の顔にはヒゲがなかった。
もう高2なのに。あいつなんて、揉み上げから顎まで繋がったヒゲがあるのに。
これは、大問題だと思う。
***
「……てな、小野田が言うんだよな」
「は?」
須原の幼なじみで、学校一恐持ての男・西 鈴真は鳩が豆鉄砲喰らったような顔して、僕を振り返った。
登校間もない時間に、この男が顔出してたのは幸運だ。
僕は須原を押しのけ、西に詰め寄った。
「小野田、ヒゲ生やしたいワケ?」
「男として、当然だろ!」
「はぁ……透的には、それでいいのかよ」
「まぁ、本人の希望ならば」
歯切れの悪い須原は、置いといて。今は、どうすればヒゲが生えるのか、こんな立派な顎ヒゲが生えるのか!
顎に沿って綺麗に、整えられたヒゲが僕を虜にする。
「あのな、小野田サン。そんな熱心に見つめないで。照れるから」
「じゃあ、どうしたらそんな風に生えるか、教えるんだ!」
「どうって、なぁ」
くっ、見せ付けるみたいに顎を撫でるな!西!
「体質もあっから、一概にゃ言えねーし。…あ、そうそう」
「なに!」
「俺、女とヤるようになってから、ヒゲ濃くなったんだわ」
―― …え?
思い切りフリーズした僕を背中に庇うように、須原が飛び出して来た。
「西!小野田にその手の話題振るなよ!」
「透ちゃんがいつまでも、清いお付き合いしてっからだろーが。案外一発ヤった次の日には、フッサフサのボーボーじゃね?」
「西!」
やる、って。一発やると、一晩でふさふさだって。
それは、試す価値があるんだろうか。
「須原っ!しよう!」
「ぶっ、ちょ、小野田ななな何言って…!」
「僕のためだと思って、協力してよ。なんでも手を貸してくれるって言ってたろ!」
「いや、それはそうって、西!」
「小野田ァ、しっかり透にお願いしろよ。いい報告待ってんぜ」
「わかった!」
「わかってない!」
西、頭の中スポンジのちゃらんぽらんな不良だと思ってたけど、案外いい奴なんだな。
さ、あとは渋る須原の説得だけだ。
逃がさないぞ、須原!
…………………
こういうジャレ愛が好きです。
受だろうが、攻だろうが、高校生ならば高校生らしい悩みを持っていていいと思います。
汗臭いとか、一日何回オナったとか。
それも含めて、愛でていきたい。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。