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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2025年04月05日 (Sat)
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2009年07月24日 (Fri)

 シリーズその2。克巳さんの本領発揮です、はい。 傾向:年下×年上 / 包容×俺様誘い受 / コンプレックス

拍手[1回]



「おい高梨、おい」
「んー? なに、克巳さん。あ、お腹空いた? じゃ、適当にカップ麺でも食ってて」

 夜。金曜の夜だ。
 世間のカップルが男女問わず大半、長い逢瀬を楽しんでるはずの、金曜の夜だぞ。
 それをなんで、俺の男は、このセクシィが服来て歩いてるエロスの権化の俺を無視して、テレビにかじりついてるんだ?

「高梨!」
「何? あ、構ってほしかった?」
「違う! 無視してんなって話だ!」
「同じこと、だよ」

 甘いマスクというのがあるなら、この顔を売ればいいという顔が眼を細める。
 手招きをした高梨に近づけば、有無を言わさず腕を引かれ、膝の間に座らされた。

「はい、しばらく大人しくしてて下さい」
「嫌だ」
「もー、ワガママだなぁ」
「お前がワン公に夢中だからだろうが!」
「週末の俺の楽しみだから、仕方ないでしょ」

 そう、この高梨という男。
 無類の犬好きなのだ。
 一週間録画していた、今日のわんこから始まり、ペット番組を観るのに集中しだすと、この俺の溢れ出す魅力すら無力になる。
 ちなみに、録画は最低3回繰り返すのが通例だ。
 この俺が今、薄いピンクのベビードールを着ているにも関わらず、ガン無視だ。
 レースをあしらった、赤い刺激的なショーツもつけているが、まったく効果無しだ。

「克巳さんも、犬好きになればいいのに」
「……あんな怖い目に遭えば、誰だって嫌いになるっつの」
「心開けば、犬は自然とわかって寄ってくるよ」

 この野郎。
 言外に、俺が心閉ざしてるみてぇに言いやがって。

「大丈夫、ちゃんとあとでたっぷり克巳さんを構ってあげるから」
「なんだ、あげるって上から目線は」
「だって構ってほしいんでしょ?」

 違うと反論しても、コイツには同じ事だと言われるだけだから、答えない。
 どーせ俺は、犬以下だ。
 眼鏡屋で、俺の魅力が倍に映る眼鏡でも作ってきやがれ。

「あのさ、克巳さん」
「……なんだよ」
「俺はね、克巳さんが綺麗だから好きなんじゃじゃないの」
「は?」
「中身も、ちゃんと好きだよ」

 お前のその、ワケわからん理屈は聞き飽きたんだよ。
 人を、まがい物扱いすんな。
 俺の神々しさは、中身も含めて俺に決まってんだろ。



 結局、退屈過ぎてその夜は、高梨に後ろから抱きしめられて寝てた。
 眠る俺にすら、惑わされねぇなんてこいつ本当に大丈夫か。
 ……まだまだ、輝きに磨きかけねぇとな。

--------------------

 まぁ、普通に克巳さん変態だと思います。
 高梨の懐の広さに、完敗。


 

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