オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
いつから、呼び方が変わったのか。
ふと気付いたのは、何気なく二人で見ていた、テレビだった。
「うわ。この夫婦すげーな、どんだけ毎日チューしてんだよ。な?賢」
「あぁ」
正直、テレビの内容よりも祐司が発した一言が気になる。
「ガキ臭くないか? その言い方」
「は? なんの?」
「だから、キスだろうが。いい大人がチューだの抜かすな」
「えー。別に可愛いしいいじゃん」
確かに、こだわるほどの物ではない。
そう思いながらも、賢には何か釈然としないものがあった。
「大体おまえ、キスは嫌いなんじゃなかったのか」
そうだ。今でこそ、テレビの夫婦並に事あるごとにキスをしているが、以前――まだ、互いに心許し合う前は、祐司はひたすら賢からのキスを拒んでいた。
いつも、泣きそうな顔をして。首を振る祐司に、無性に苛立った事はまだ覚えている。
「……だって、しょーがねーじゃん。俺の方が、日蔭の身だったし」
クッションを膝の上で抱え、拗ねる祐司に賢は絶句した。
「祐司……」
「一応、気ぃ遣ってたんだからな!お前の、元婚約者に」
むくれる祐司を前にし、賢は情けなさに自嘲した。
自分はどれほど、酷い人間だったんだろうか。
「だから今は、復讐なんだかんな! 溜まってたツケ、払ってると思ってチューしろよ!」
「わかった」
そんなに安く、チャラに出来るならば。いくらでも、何度でもしてやろうと思う。
キスでも、チューでも。
唇が腫れて、息が止まるまで。
-------------------
祐司は過去をそれほど引き摺らないようにしてるんですが、折に触れ、言いたいことは言うという。
その方が、関係が対等な気がする。
だからこそ、賢は祐司を大事にしたらいいと思ってます。
▽ランキング参加してます★お気に召したらポチリお願いします。
にほんブログ村
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。