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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月08日 (Wed)

 花嶋がいい具合にダメっぽい。 傾向:俺様ドS×平凡馬鹿 / 王様ゲーム / 嫉妬

【問題】

 王様ゲームでお話しお願いします

拍手[2回]



「王様~早く命令しなさいよ!」

 赤く印がついた割り箸を手に固まってる馬鹿を横目に、俺は残っていたビールを飲み干した。
 帰り際、頼み込まれて無理矢理参加させられた、合コン。
 参加する気が全然ねぇから、断る口実で「香野も一緒な」っつったら、誘った方も香野も、OKだと。
 で、適当に盛り上がった頃、一人でチビチビ飲んでた馬鹿は今、最大の注目を浴びて固まっていた。

「えー……と、えーと、じゃ、3番が5番の人に、ちゅ、ちゅーを!」

 3番、て俺だ。向かい側で手を挙げた5番は、派手な巻き髪の女だった。

「おい、王様。チューはどこにしてもいいのか」

 俺が当たったのを知って、香野が分かりやすく焦ってやがる。
 女の方は乗り気で、どこでもどうぞ、と纏わり付いてきた。

「え……と」
「早くぅ、ね? 王様命令だし」
「そうだよな、王様命令だしな」

 女の腰を捕らえ、密着して見つめ合う。
 周りが囃し立てて、騒ぎ立てる中、王様の声が響いた。

「やっ、やっぱり中止! 駄目です、しちゃ駄目です!」
「はぁ?」

 シラけた顔になった女を振り払い、俺は香野の前に膝まづいた。

「なぁ王様、このまんまじゃみんなが面白くねぇだろ?なんか俺に、命令ないか?」

 見上げた顔が、くしゃっと歪む。
 キュッと握った拳を、俺の肩に乗せて、香野は周りに掻き消されそうな声で呟いた。

「も、帰りたい…です」
「それはつまり、俺が王様をお持ち帰りしろって命令か?」

 俺の声に、周り…つうか女達が余計に騒ぎ出す。
 俺はそれに構わず、頷いた香野に従い、肩に手を回し、テーブルに向き直った。

「悪いな、王様の命令だ。拝命しねぇと」


 ***


 温い風が吹く中、馬鹿と並んで歩く。しばらく無言で俯いてた香野が、舌足らずな口調で問い掛けて来た。

「花嶋君は、いつもあーいう事してたですか」
「あ?」
「おーさまゲームで、知らない女の子と、ちゅーとか」
「場合によっちゃ」
「や……やだって、もう止めてって言ったら、だめですか?」

 立ち止まった馬鹿が、泣き出す寸前みてぇな顔で俺をじっと見つめる。
 たまんねぇ。こいつが見せる、わかりやすい独占欲が。
 滅多に見せない、必死な顔が俺を満足させる。

「王様の命令だし、従ってやる」
「ほんと?」
「おまえの命令だしな」

 お前にはどう逆立ちしたって、敵わねぇんだ。
 俺の王様は、お前だ。




--------------------------------------

 諦念してきたとしか思えません、花嶋。
 わがまま言われて嬉しいと思うのは、男の甲斐性の一つなんですかね。

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