オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
傾向:男夫婦 / 甥っ子vs旦那 / 子供に嫉妬
【問題】
「甥っ子(生後2ヶ月)を預かる。」
絶賛同棲中の二人の元にある日、お姉様(20代既婚。受・攻どちらのお姉様かは任意)がご訪問。
「友達の結婚式に行って来るから預かっといて!ちなみに旦那は出張中だからアテになんないわよ。この子にもしもの事があったら東京湾に葬るから。それじゃよろしくねー(笑顔で去る)」
おむつとミルクと天使を残し去って行ったお姉様。なんちゃって育児をする羽目に陥った二人の運命やいかに?
「……あの女!」
「お姉さんにそういう事言うなよ!」
嵐のように去って行ったドアを睨み据え、怨念篭った視線を送る賢の頭を祐司は叩いた。
1番最初の理解者、と祐司は姉を慕っている。
だが、賢にしてみれば脅迫者でしかない実の姉(28)の置き土産を苦々しく見つめる。
「非常識だ、俺達に子育ても保育経験もないのをわかっていて、……あいつ!」
「どうにかなんだろー、半日くらい。な? りゅーちゃん」
甥の柔らかい頬に、ほお擦りをする祐司の姿に、完全敗北を悟り黙り込む賢だった。
***
通常母親を1番恋しがるはず時期…だと思われる赤子が、泣き声どころかぐずりもしない。
非常に大人しく扱い易い子供の様が、賢には面白くなかった。
「もう、指吸うなってばちょっと! まだお腹いっぱいにならない?」
「お前の指に、ミルクの味でも染みてたんじゃないのか」
「あ、そっか。舐めてくれんの? りゅーちゃんすごいねぇ」
そのミルクを、湯を沸かし分量をきっちり量って作って哺乳瓶に入れたのは誰だ、と喉元まで出かかった言葉を賢は飲み込んだ。
血の繋がりのある、実の叔父である賢が傍に寄れば、火が着いたように泣きだすくせに。祐司の何を気に入ったのか、甥はすっかり祐司を独占していた。
「かーわいいなぁ、もう」
甥を優しく揺さぶり、慈愛に満ちた表情を浮かべる祐司に、賢は読んでいた雑誌をめくる手を止め思わず魅入った。
別に、祐司に女性的な物を内外において求めた事も、感じた事もない。
だが、子供をあやす姿には、有り得ない筈の母性が滲み出ていた。
「赤ちゃんて、こんなに可愛いかったんだなぁ」
「あの姉の子だと思うと、愛らしさは半減だがな」
「またそんなこと言うし。だからりゅーちゃん懐かないんだぞ」
「構わん」
「むう、ダメなパパでちゅねぇ。育児に参加しないパパは」
すっかり母親気取りの祐司に肩を竦め、賢はソファーから立ち上がった。いい加減、眺めるのも飽きて来たのだ。
「賢、どこ行くんだよ」
「トイレだ」
「あ、じゃあ戻ったらりゅーちゃんのオムツよろしく」
「何?」
「何じゃねーよ、俺も疲れた! 交代だ!」
擦れ違い様視線があった賢に、甥はなんとも言えない不服を込めた顔を見せる。
姉帰還まで、あと5時間。
戦いはまだ、始まったばかりだ――
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夜は祐司がお風呂に入れ、オッパイ吸われた発言でまた、大騒動だったとか。りゅー×祐司。
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萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。