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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月06日 (Mon)

 傾向:男夫婦 / 甥っ子vs旦那 / 子供に嫉妬

【問題】

「甥っ子(生後2ヶ月)を預かる。」
 絶賛同棲中の二人の元にある日、お姉様(20代既婚。受・攻どちらのお姉様かは任意)がご訪問。
「友達の結婚式に行って来るから預かっといて!ちなみに旦那は出張中だからアテになんないわよ。この子にもしもの事があったら東京湾に葬るから。それじゃよろしくねー(笑顔で去る)」
 おむつとミルクと天使を残し去って行ったお姉様。なんちゃって育児をする羽目に陥った二人の運命やいかに?

拍手[2回]



「……あの女!」
「お姉さんにそういう事言うなよ!」

 嵐のように去って行ったドアを睨み据え、怨念篭った視線を送る賢の頭を祐司は叩いた。
 1番最初の理解者、と祐司は姉を慕っている。
 だが、賢にしてみれば脅迫者でしかない実の姉(28)の置き土産を苦々しく見つめる。

「非常識だ、俺達に子育ても保育経験もないのをわかっていて、……あいつ!」
「どうにかなんだろー、半日くらい。な? りゅーちゃん」

 甥の柔らかい頬に、ほお擦りをする祐司の姿に、完全敗北を悟り黙り込む賢だった。

 ***

 通常母親を1番恋しがるはず時期…だと思われる赤子が、泣き声どころかぐずりもしない。
 非常に大人しく扱い易い子供の様が、賢には面白くなかった。

「もう、指吸うなってばちょっと! まだお腹いっぱいにならない?」
「お前の指に、ミルクの味でも染みてたんじゃないのか」
「あ、そっか。舐めてくれんの? りゅーちゃんすごいねぇ」

 そのミルクを、湯を沸かし分量をきっちり量って作って哺乳瓶に入れたのは誰だ、と喉元まで出かかった言葉を賢は飲み込んだ。
 血の繋がりのある、実の叔父である賢が傍に寄れば、火が着いたように泣きだすくせに。祐司の何を気に入ったのか、甥はすっかり祐司を独占していた。

「かーわいいなぁ、もう」

 甥を優しく揺さぶり、慈愛に満ちた表情を浮かべる祐司に、賢は読んでいた雑誌をめくる手を止め思わず魅入った。
 別に、祐司に女性的な物を内外において求めた事も、感じた事もない。
 だが、子供をあやす姿には、有り得ない筈の母性が滲み出ていた。

「赤ちゃんて、こんなに可愛いかったんだなぁ」
「あの姉の子だと思うと、愛らしさは半減だがな」
「またそんなこと言うし。だからりゅーちゃん懐かないんだぞ」
「構わん」
「むう、ダメなパパでちゅねぇ。育児に参加しないパパは」

 すっかり母親気取りの祐司に肩を竦め、賢はソファーから立ち上がった。いい加減、眺めるのも飽きて来たのだ。

「賢、どこ行くんだよ」
「トイレだ」
「あ、じゃあ戻ったらりゅーちゃんのオムツよろしく」
「何?」
「何じゃねーよ、俺も疲れた! 交代だ!」

 擦れ違い様視線があった賢に、甥はなんとも言えない不服を込めた顔を見せる。
 姉帰還まで、あと5時間。
 戦いはまだ、始まったばかりだ――

----------------------------

 夜は祐司がお風呂に入れ、オッパイ吸われた発言でまた、大騒動だったとか。りゅー×祐司。
 子供ネタは大好きです!


 

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