オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「オッサン、いつまで人のケツ触ってんだよ? 俺、正真正銘男なんだけど」
最悪。やっぱ、この服マズったかなー。女の子からのお下がりなんだけど。
よく後ろ姿だと、キャッチに捕まるしナンパされるし、髪切らないとダメかー。金無いんだよなぁ。
取り押さえた痴漢を電車から蹴飛ばし、俺は疲れた体を椅子に沈めた。
「……男、だったのか」
「は?」
一人分空けて座ってる男が、こっち見て失礼な事言ってる。
そういやこいつの前で、俺ケツ揉まれてたんだっけ。
「そうだけど? 何か」
「女相手になら言わないが、この場合痴漢を誘発する恰好の方が悪いな」
「は?」
「アンタの外見じゃ、勘違いした馬鹿が寄り付き易そうだ。それともアンタが馬鹿なのか?」
「なっ」
立ち上がりかけた俺を見もし無いで、そいつはドアの前に移動した。到着した駅のホームに、そのまま出て行く。
ぬぁぁムカつく! けど消えて良かった!
「……あ」
ってここ、俺も降りる駅!
ドアが閉まる瞬間飛び出し、車掌さんに睨まれながら、俺はホームを駆け出した。
今日は飲み会、久しぶりの飲み会!
大学で出来た友達が、いつも話してる面白い幼なじみって奴を紹介してくれるって言うから、超楽しみでバイトも休んだんだから。痴漢とかさっきの嫌な奴とか忘れて、盛り上がるぞ!
なのに、改札抜けて待っていた友達の隣にいたのは……さっきの嫌味野郎だった。
「えーと、こっちが幼なじみの北森賢で、こっちが友達の志賀祐司。なんで二人とも不機嫌なんだ?」
「いや、別に」
くそー、なっちゃんめ!
何が情に厚いイイ奴だよ、すげぇ嫌味な奴じゃん!
さっきから上から目線だし!そりゃ俺170ねぇよ悪いかよ!
「お前らさ、絶対気が合うと思うんだよなー。俺のカン!」
「確かに夏紀の勘は当たるが。今回初めて黒星になるな、俺の勘だ」
「俺もそー思うぜ、なっちゃん。コイツとは絶っっ対合わない」
「同感だ」
それから居酒屋までの道で散々いがみ合いして、酒飲んでからも罵倒し合って。
なっちゃんだけが一人、「ほらな、やっぱ気が合うんじゃん」て、笑ってた。
けどね、なっちゃん。今はすげーなっちゃんに感謝してる。
なっちゃんは俺達の本当に、天使だったんだ。
なっちゃんがよく言ってた、魂の片割れの話。
俺、コイツで合ってんだよね?賢も俺で、いいんだよね?
天使な最高の友人へ、俺達は今日も幸せです。
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プロポーズ編に出てきた故人が、引き合わせた運命の人。
出題は【運命の人】でしたので、こんな形になりました。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。