オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「お前、マジ使えね」
「……ごめん」
パシリの一人の、香野はどこをとっても平凡だ。
身長体重平均的、顔十人並み、おまけに頭が弱い。
頼んでた講義のノートは、汚い字だわ誤字だらけだわ、読めたモンじゃない。
どうやってコイツ、大学に入学したんだ。
「あーもう、お前なんなら俺の役に立つワケ?」
「え、えと…なんだろ?」
「聞くなボケ」
こんな奴、別にとっとと切り捨てりゃいいと思ってる。
他の取り巻きの方が、俺を苛々させねぇし、気が楽だ。
そうは思うのに、だ。
「花嶋君、ごめんね」
泣きそうな顔が、無性に見たくなる。
犬みてぇに、待てと言ったら、雪だろうが雨だろうが、いつまでも待ってて風邪引く馬鹿さが、たまらなく俺を満足させる。
他の奴にはまずない、『俺』が1番だというこの態度。
「ちっ、今夜行くから準備しとけよ。痛ぇっつっても、容赦しねぇからな」
「ハイ! お風呂入って、お待ちしてます!」
顔真っ赤にして、手を挙げて宣言する馬鹿は、見てて楽しい。
こんなに普通の顔してるくせに、声がエロいとか、身体が柔らかいから無茶な体位が試せるとか、マジで信じらんねぇ。
何より、そんなコイツの姿が忘れられない俺が信じらんねぇ。
「なぁ、香野」
「ハイ!」
「お前、俺の何?」
「えと…使えないパシリ? あ、苛々の元かな。あはは」
そこで、そう答えるとこが、たまにすげぇムカつく。
確かに恋人関係なんかじゃねーけど、そんな気は全くねぇけど、だ。
お気に入りの玩具、ぐらいは言えっての。
「ちなみに俺は、花嶋君が大好きです!」
「…いちいち言うな」
「言わないと、でも伝わらないよね」
「ちっ」
そういう思考回路だから面倒臭ぇんだよ。
察しろ、馬鹿。
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俺様・花嶋君は、無自覚におバカな香野に惹かれてるんです。
2人のズレた関係をお楽しみ下さい。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。