オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「おい、今日合コン行くから、帰るの12時過ぎるからな」
「はい!」
俺が大好きな花嶋君は、男女ともに大人気です。ウチの大学以外にも人気です。
本当は、俺なんか構ってるヒマないくらい大人気なんです。
「普通はさ、チカそこで『行かないで』とか言うもんじゃないの?」
「んー、でも俺別に花嶋君の恋人じゃないし」
「その恋人でもない男に、全部許してるチカが信じらんない」
そう言うのは、俺の中学からの親友の金谷君。
別の大学に行って、今は滅多に会わないけど、仲良しな友達。
花嶋君と、都合のいい関係をしてる俺をいつも叱る人。
金谷君は、眼鏡を押し上げながらわざと溜息を吐いた。
「合コンで誰か女子引っ掛けて、他の奴の家に泊まってもチカは何にも言わないわけ?」
「言え……ない。花嶋君が選んだ人なら」
「チカ、そういうのは健気じゃなくてただの馬鹿だから。相手にも失礼だろ、そんなチカ相手にしてるって」
「そ、かな」
花嶋君に失礼、って言われると考える。
なら俺、みっともなくあそこで、行ってほしくないって泣き喚いて良かったのかなぁ。
「あ、電話……花嶋君だ!」
「はぁ? 合コン中に電話って、どんな急用?」
「わかんない。あ、もしもし!」
『おい、俺が電話したら3秒で出ろ』
「ごめ……」
『で? 家にいねぇで何してんだ』
「うぇ? なんで家にいないと……」
『今、部屋の前だからに決まってんろ』
「えぇぇー!」
「ねぇチカ、どこのホテルにする? これから行くの」
『……あ? 誰かと一緒か?』
「えっ、わ、金谷君しーっ! あの、花嶋君その、今」
『おい、どこだ? 今から行く』
「え! いや、今すぐ帰ります!」
『おいコラ、動くんじゃねーぞ!』
「チカ、先約は俺でしょ」
「え、えぇぇぇーっ」
息を切らせて走って来た花嶋君は、金谷君を見て怖い顔になった。
しばらく二人は、なんかわかんないけど喧嘩して。
俺は花嶋君に引きずられるように、店を出ていた。
「……たくこの馬鹿、浮気とか調子のってんじゃねーぞ」
低い声で唸る花嶋君に、竦みあがる。
「浮気!? してません!」
「ならなんであいつと、あの後ホテル行く話になってんだ。何が親友だクソ馬鹿!」
「えぇーっ! 行かないって、何にもしてないって!」
「うるせぇッ! そんな余計な事考える余裕がある脳みそに、全部俺を刷り込んでやる!」
なんで花嶋君、変な事言って怒ってるんだろう。
あ。本当は、俺が怒らないとなんだよね?
あとで金谷君にも謝らないと……はぁ、難しいなぁ。
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新キャラ・金谷君。とんだ伏兵。
香野の名前はトモヨシです。知佳と書いてトモヨシ。なので、「チカ」です。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。