オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
しばらく香野と会ってねぇな、と気付いたのは、最後に会ってから2週間くらいしてからだった。
大学で姿は見かけるが、あいつからは寄ってこねぇ。
夜は夜で、取り巻き連中に連夜飲み会に引きずり出され、あいつの部屋に行く暇がねぇ。
その間に、あいつは一回も電話もメールも、してこなかった。
そういや、あの馬鹿から俺に連絡して来た事は今まで、一度もない。
知り合った年の冬、風邪引いてんのにあの馬鹿は、俺が待ち合わせ時間を忘れてたにも関わらず、待てっつった場所に何時間も立って肺炎になりかけた。
連絡してくんな、なんて言ったことはない。
ただ、俺の都合で振り回して来ただけだ。俺の邪魔すんな、つったのをあいつが勝手に解釈してるだけだ。
馬鹿のくせに、無駄に頭使って。
この状況で、俺から連絡するのが、無性に腹立たしい気がして、携帯を閉じた。
……どんだけ俺、必死だよ。
あいつからなんもアクション起こさねぇってのは、もう俺がどうでもいいってことだろ?
あいつの『大好き』が、終わったんだろが。
俺が振り回してたはずの関係は、あいつが主導権握ってたなんて、あの馬鹿全然気付いてねぇだろ。
ムカつく、すげぇムカつく。
『大好き』連呼しながら、なんでお前は俺無視してられんだよ。
触りてぇとか、声聞きてぇとか、普通にお前の顔がチラつく俺なんかより、お前の方が俺一色なんじゃねーのかよ!
それから、30分。
俺からばかりのメールの送信履歴と、発信履歴を眺め続け、俺は観念して通話ボタンを押した。
それは、確信的な自信だった。
あいつは、絶対いつもどおり3秒以内で電話に出る。
コールが、鳴るとほぼ同時。
お前、分かってたんじゃねぇのかよってタイミングで、それは聞こえてきた。
『ハイ!香野ですッ!』
「……ハイじゃねぇよ、馬鹿」
『え、ヘイ?』
「ばーか。今から行くから待ってろよ」
『ハイ!あ、じゃない、うんっ!』
耳に痛ぇ馬鹿声が、ムカつく以上に懐かしい。
結局負けてんのは、俺なんだよな。
だからいい加減、気付けってんだよ。
お前なんかの『大好き』に負けてねぇ、俺に。
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花嶋←香野のようで、実際は花嶋→香野な関係かな、と。花嶋結構一途で可愛いと思うよ。
まだまだ発展途上なんだと思って、気長に眺めてます。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。