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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月04日 (Sat)

 高見中学時代の「彼」独白ver. 傾向:片想い / 回想 / 切ない

【問題】
 切ない片思いの話で思い切り泣かしてください

拍手[2回]




 
最初は、ただの点数稼ぎで声を掛けただけだった。
 クラスで一人だけ浮いてる、暗い奴。
 こういう奴と仲良くしとけば、絶対大人や周りの目には、俺がいい奴だと映るに違いない。
 そんな単純な計算が、きっかけだった。


 あいつは、あいつには俺しかいなくて。
 そんなあいつを、隣で見ている内、妙な優越感を得るようになった。
 俺としか、話さないあいつ。
 俺にしか、笑いかけないあいつ。
 根暗だと思ってた奴が、笑う時だけ花が咲いたみたいに、明るくなる。
 可愛いとか、守りたいとか、根暗な男相手に思うこと自体有り得ないと思った。
 段々、怖くなった。
 あいつの隣にいるのが、俺が胸の中で飼っている欲望に、いつか気付かれるのが、怖かった。
 あいつに嫌われる日が来るのが、怖かった。
 今更だけど、もう取り返しがつかないけれど。



「あーちょっと高見、ちゃんと前見て歩く」
「あ、歩いてた! 君とは、身長が違う、から、視界が違うんだからっ」
「うんうん、コンパクトだもんねぇ。高見は」

 偶然聞こえた名前に、振り返るとそこにはやっぱりあいつがいた。
 一緒に着る事が出来なかった制服を着て、相変わらず妙に野暮ったい雰囲気で。
 隣にいるデカい男に、怒ったり笑ったり、楽しそうに。
 俺に気付かず、通り過ぎて行く。

 なぁ、高見。
 もう、今更言えないけど。
 俺、本当はお前に誘われた映画、一緒に行きたいと思ったんだ。
 ただ、怖かった。
 学校の外でお前に会うのが、怖かったんだ。
 お前があれから、俺を遠ざけるようになってわかったよ。
 俺は臆病だったんだな。
 あの頃は、お前を好きだって素直に認められなかったんだ。
 お前を傷つける気なんて、本当になかったんだ。
 ごめんな、高見。
 馬鹿だな、俺。



 俺がなりたくてなれなかったポジションを手に入れた男が、一瞬、俺を振り返った。
 まだ、少し悔しいと思うくらいには、お前を好きでいてもいいですか。
 いつか、ちゃんとお前に話すから。




 さよなら、初恋の人。







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 こういう、中学くらいの頃の気の迷いというか、気恥かしさで上手くいかない想いって、絶対あると思うんですよね。

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