オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
最初は、ただの点数稼ぎで声を掛けただけだった。
クラスで一人だけ浮いてる、暗い奴。
こういう奴と仲良くしとけば、絶対大人や周りの目には、俺がいい奴だと映るに違いない。
そんな単純な計算が、きっかけだった。
あいつは、あいつには俺しかいなくて。
そんなあいつを、隣で見ている内、妙な優越感を得るようになった。
俺としか、話さないあいつ。
俺にしか、笑いかけないあいつ。
根暗だと思ってた奴が、笑う時だけ花が咲いたみたいに、明るくなる。
可愛いとか、守りたいとか、根暗な男相手に思うこと自体有り得ないと思った。
段々、怖くなった。
あいつの隣にいるのが、俺が胸の中で飼っている欲望に、いつか気付かれるのが、怖かった。
あいつに嫌われる日が来るのが、怖かった。
今更だけど、もう取り返しがつかないけれど。
「あーちょっと高見、ちゃんと前見て歩く」
「あ、歩いてた! 君とは、身長が違う、から、視界が違うんだからっ」
「うんうん、コンパクトだもんねぇ。高見は」
偶然聞こえた名前に、振り返るとそこにはやっぱりあいつがいた。
一緒に着る事が出来なかった制服を着て、相変わらず妙に野暮ったい雰囲気で。
隣にいるデカい男に、怒ったり笑ったり、楽しそうに。
俺に気付かず、通り過ぎて行く。
なぁ、高見。
もう、今更言えないけど。
俺、本当はお前に誘われた映画、一緒に行きたいと思ったんだ。
ただ、怖かった。
学校の外でお前に会うのが、怖かったんだ。
お前があれから、俺を遠ざけるようになってわかったよ。
俺は臆病だったんだな。
あの頃は、お前を好きだって素直に認められなかったんだ。
お前を傷つける気なんて、本当になかったんだ。
ごめんな、高見。
馬鹿だな、俺。
俺がなりたくてなれなかったポジションを手に入れた男が、一瞬、俺を振り返った。
まだ、少し悔しいと思うくらいには、お前を好きでいてもいいですか。
いつか、ちゃんとお前に話すから。
さよなら、初恋の人。
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こういう、中学くらいの頃の気の迷いというか、気恥かしさで上手くいかない想いって、絶対あると思うんですよね。
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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